“次世代につなぐ”服作りを目指して

itobanashiのあかりです。

itobanashiの服づくりに関わる “人” にフォーカスして、その背景を紹介する People’s Story。第2回目はitobanashiのフロント刺繍シャツやシャツワンピースを縫製してくださっている合同会社Valley の代表、谷英希さんを紹介します。

合同会社Valley は2016年に設立された縫製会社です。“次世代につなぐ”工場、そしてまちづくりを目指し、自社ブランドKazoku Shirtsの設立をはじめ、動物保護のプロジェクトやこども対象のエプロンづくりワークショップなど、新しいことへの挑戦を続けています。

新しいことをはじめる=自分たちが変わる

うちには「日本の縫製業を次世代につなぐ」というビジョンがあります。ですがそれに対してよく言われるのが「かっこいい、やりがいのある仕事じゃなきゃいけない」っていう精神論ばかりで。そこは結局やる人間がその仕事を好きかどうかに関わってくるところなのですが、それでも縫製の依頼が入ってきたときに手取りが13-14万円だと誰もその仕事を選ぼうとはしないですよね。だからこそこれからは縫製をやっている人自体が変わっていかないといけないと思うんです。

そのために自社製品を出したり、野生のトラの保護活動などのCSR活動をしたりすることで服作りを知ってもらうきっかけを作れれば、と考えて多様な活動を始めていきました。自分たちの考えばかりを押し付けるのは違うと思うけど、そもそも会社って外見だけ良くても意味がないじゃないですか。

 

大切なことは、社員全員が楽しんで仕事をしていること

よく仕事とプライベートは切り離すっていう人もいるけど、僕は切り離せないものだと思うんです。1日の半分を一緒に過ごしている、ということは人生の3分の1は一緒に過ごしているようなものですし、そもそも切り離そうとも思ってないので。

自分が自社製品を作ったり動物保護活動のためのクラウドファンディングをやったりするなかで、今定期的に行っている子ども向けのワークショップがあるんです。それが良いと思っている理由は、社内で自分以外が企画・計画してできたものだからということもあるんです。自主性をもっと尊重していきたいし、会社自体が楽しんでやっていないと外部にも伝わらないですよね。うちは、まずは社内のメンバーを楽しませることを目指しています。休日なんかにはよく社員と、社員の家族を連れてBBQをやったりしています。会社としてそういうことをやろうって企画したわけじゃなくても誰かが誘えばみんな集まるみたいな、そういう会社なんです。


ビジョンを貫く先にあるもの

これからも「日本の縫製業を次世代につなぐ」っていうビジョンを貫き続けていきたいです。うちにはビジョンがあって、ミッションがあって、理念がある。「わたしたちの服作りに関わる全ての人を笑顔にする」ことがうちのミッションなんですけど、ここにある“全て”っていうのは、社員、その家族、協力会社、取引先などひとりひとりを意味してるんです。

そのための考え方はコアバリュー(理念)の5つ「笑顔・常に自分が笑顔になって周りを笑顔にしよう」、「挑戦・常にチャレンジしていこう」、「価値・適正な価値をお客様に伝えよう」、「前進・前に進む以外はマイナス。しっかり前を向いて行こう」、「共存・周りも幸せにしていこう」で、この「共存」は、中でもすごく大事にしていることです。自分らだけじゃなく、周りも含めて良くなっていかないといけないと思うので。 

 

服をつくる「村づくり」がしたい

最終的な展望としては、村づくりをしたいんです。服を作るための特区みたいな感じで。林業や農業など色々な行政を巻き込んで地図にも載せられるような村を奈良で10年先には実現させたいと思ってます。それからそういう村を地方にどんどん作っていきたいですね。

Valleyとしては、もう少し成長して環境が整ったところでフッと消えるくらいが丁度良いと思ってます。この先洋服が作りやすい環境になって、小さい工場もどんどん増えていって、もう充分だよね、ってなっていけば、競争もいらないし蹴散らす必要もないだろうし。売り上げ目標の100億円を超えたらもう会社は続けないと思いますね。

仕事のすべてはコミュニケーションで成り立っています。うちには一軒一軒会いに行って築いているコミュニケーションがあるし、その時間を作ることに意義があると思っています。

縫製業のIT( Information technology)は世間のとらえ方とずれていて、今でもFAXでやり取りを続けている工場さんや、デバイスやパソコンでコミュニケーションが取れない60-70代の職人さんもいるんです。デジタル化も大事ですけど、直接のやり取りが繋がりを強くすることだってあると思うんです。アナログな情報伝達の仕方であっても、会いに行くことが究極のコミュニケーションなら、”会いに行くこと”自体がITですからね。

村づくりもこういう繋がりでどんどん可能性を高めていきたいですね。 

 

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