Embroidery
itobanashiのインド刺繍
テキスタイル大国と呼ばれるインドには、刺繍だけでなく、染め・織りをあわせて1万種類以上のデザインが存在するといわれています。
その中でも特に「針・糸・布」だけで作り出される刺繍は、地域ごとに技法や図案が異なることはもちろん、一針一針の目の中に、職人の個性を垣間見ることができます。
ここでは、私たちが扱う刺繍の一部をご紹介しています。
1. アリ刺繍
長く宗教紛争の続くカシミール地方では、女性たちは刺繍から生み出す花々のデザインに平和の祈りも込めていると言われています。
アリと呼ばれる特殊なかぎ状になった針を用いて、目の揃ったチェーンステッチが出来上がる様子は、まさに芸術そのもの。色彩豊かであたたかみのあるアリ刺繍を、ぜひまとってみてください。
2. カンタ刺繍
カンタ刺繍は主にベンガル地方で紡がれています。
この地方の女性たちは、何世紀にもわたって家族の幸福と繁栄を祈りながら、その想いを刺繍で表現してきました。描かれるモチーフは宗教的な意味を込めたものや、幸せをもたらす動植物、身の回りの道具など、穏やかな生活が垣間見えるものばかり。
素朴で個性豊かなカンタ刺繍を、ぜひ生活の中に取り込んでみてください。
3. チカン刺繍
チカン刺繍は主にラクノウ地方で紡がれています。
この地方ではムガル帝国時代の宮殿が今でも数多く残り、王宮文化と共にこの優美な刺繍が発展したと言われています。
刺繍糸を一色のみ使うことの多いチカン刺繍では、刺繍のテクニックとして36もの技法があると言われ、これらを組み合わせて美しい植物のモチーフを作り上げます。シンプルで美しいチカン刺繍に、ぜひ触れてみてください。