1月22日のつぶやき
【非効率副社長の杉川が綴るつぶやきブログ・・・第23回】
まさかの、2日連続の投稿です。
クーリエジャポンというwebマガジンの記事を共有させてください。
https://courrier.jp/news/archives/185884/
今、インドで何が起きているのか。
カシミールで何が起きているのか。
ブッカー賞作家であるアルンダティ・ロイ氏の演説を書き起こしたものです。
有料会員でないと一部読めない部分もありますが、
読める部分だけでも、ぜひご覧になられてください。
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モディ首相の批判を意味する共有ではありません。
今、インド、特にカシミールでは、大変なことが起きています。
私たちは昨年末から1月3日まで、カシミールで過ごしました。
そこで目にしたこと以上のことが、起きています。
(以下、記事より転載)
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2019年8月5日、インド国会は、1947年、当時藩王国下で自治領だったジャンムー・カシミールがインド連邦の一部になることを同意した文書、「インド連邦への帰属宣言(Instrument of Accession)」で謳っている基本的な諸条件をすべて不履行にしました。
つまり、インドの一部であるジャンムー・カシミール州の自治州としての権利を剥奪し、同州が憲法で保障されていた特権──独自の法案作成や(国旗以外に)州旗の掲揚も認めるものでしたが──もすべて廃止したのです。
(中略)
学校や市場は閉鎖され、政治家、ビジネスマン、法律家、人権活動家、地域リーダー、学生など、4000人以上が逮捕されました。その中には、州首相を務めた3人も含まれていました。これは、いってみれば、カシミールで影響力をもつ「政治階級」──カシミール独立派だけでなく、インド国家に忠誠だった人たちも含め──全員が投獄されたのです。そして、その日の深夜に、インターネットはすべて遮断され、電話も通話不能となりました。
(杉川追記:これが、法案可決からたった2日間に行われたのです。信じられますか!?)
(中略)
直近の2回の国政選挙で、BJPはイスラム教徒の票なしでも、議会で圧倒的多数を占めることが出来るのだ、ということを内外に示しました。結果として、インドのイスラム教徒は、公然と基本的権利を剥奪され、最も周縁化された人々──つまり、自分たちの利益を代弁する政治リーダーを奪われた、声なきコミュニティと化してしまったのです。
(中略)
真夜中の襲撃、強制逮捕、何時間にもわたって殴る蹴るの暴行を受ける青年たちの叫び声、彼らの家族や近隣の人々に聞かせるため、その声が町内放送のスピーカーで響き渡る様子、兵士たちが家の敷地に押し入り、肥料にガソリンを混ぜ、越冬のために住民が蓄えている食糧すべてを燃やし尽くす風景。空気銃で体中に穴が開いた少年たちが、病院での逮捕を恐れ、自宅で手当てを受ける様子。
深夜、何百人もの子供たちが突然連れ去られ、恐怖と不安に慄き、狂ったように泣き叫ぶ親たち。ニュースからは、恐怖、怒り、憂鬱、混乱、そして人々の鋼のような決意と、どんな非人道的行為にも徹底して抵抗する誓いや行動が溢れんばかりに噴き出していました。
(中略)
それでも、カシミールの人々は知っているのです。この世に存在するためには、抵抗を続けるしかないと。
いったいなぜ、彼らはインドの一部になりたいと思わなければいけないのでしょうか? いったい何のために? もし彼らが望むものが自由なら、自由こそ、彼らが手に入れるべきものなのです。
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(引用終わり)
一緒に仕事をしているAminファミリーに
「私たちにできることはないか?」
と尋ねたとき、彼らは
「とにかく仕事をくれ。職人に仕事がないんだ。それが一番の支援なんだ。」
と答えました。
この記事を読んでいると、こんな状況の中でも私たちのオーダーした刺繍を期日までに完成させようと走り回っているAminファミリーの顔、そして職人のみなさんの顔が浮かび、胸が苦しくなります。
この記事にかかれていることが全て正しいとも限りません。
(かなり偏っている記事だと思います)
ただ、大変なことが起きていることは間違えのないことで、
今、このタイミングで私たちがカシミールに深く関わっていることも
何か意味があることだと思います。
この目でカシミールに起きていることを直視していきたいと思います。
そして、私たちにできることを、実行していきます。
この異常事態は、カシミールだけではありません。
ムスリムが多く住む地域では異常な弾圧が起きています。
ムスリムが多い地域は、刺繍や手仕事工芸の文化が残る地域でもあります。
チカン刺繍で有名なラクノウ、そしてitobanashiの2020春夏の新作に使う生地の産地であるグジャラートでも、偶然とは思えない事故や行動抑制、法改正などが起きていると聞きます。
(ラクノウのストライキの影響で、伊達とも連絡が取れない状態になりました。)
私たちはその地域の文化や伝統を色濃く反映する途上国刺繍を世界に広め、
そして次世代に残して行くことをミッションにかかげています。
一緒に仕事をしている刺繍職人のみなさんが暮らす地域がこんな状況になっているからこそ、使命感というものを大切にし、覚悟を持って行動していきたいと思います。